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ファッションレポート

ファッションとエコを考える  Part2. 素材~オーガニックコットン

今回は、『オーガニックコットン』について、
    興和株式会社の生活関連事業部開発生産本部 本部長 北田氏、開発生産課 課長 藤森氏、
    豊島株式会社の三部 部長 菱川氏、三部二課 課長 溝口氏
にお話を伺いました。


興和株式会社
興和株式会社は、国際認証機関Control Union Certifications(CUC)を通じてGlobal Organic Textile Standard(GOTS)の認証を日本でいち早く取得し、商品ブランド『tenerita(テネリータ)』として、タオルを中心としたオーガニック100%の繊維製品を製造販売し、一流ホテルでの採用など、高い評価を得ています。

 『tenerita』の経験をもとに、『ファッションとエコロジーの融合』をテーマとして、アウター衣料製品の製造工程にこの認証システムを組み入れるべく立ち上げたのが、『TENERITA(テネリータ)』プロジェクトです。

 「アウター衣料製品の全ての生産工程において、GOTSが要求する項目を満たすには課題も多い。」との事ですが、GOTSの精神を否定することなく1つ1つ問題をクリアし、この春、従来のタオル中心の生産工程に加えて、アウター衣料製品の生産工程についてもGOTSの認証を取得することが出来たそうです。
つまり、『TENERITA』とは、全ての生産工程が国際基準であるGOTS、OESの基準を満たし、国際認証機関CUCの認証を受けることにより、紡織・編み立て・加工・縫製などの生産履歴を管理・確認し、そのTraceabilityを証明する仕組みということです。そしてSustainabilityの実現のために、興和株式会社とCUCによる厳しい検査をクリアし認証工場として認められた工場は、認証後もCUCによる年次検査が義務付けられます。このような厳格な基準をクリアしなければならない『TENERITA』プロジェクトに賛同し、アライアンスに参加された紡績、素材、染色、テキスタイル、縫製の各メーカーは、いずれもMADE IN JAPANに誇りを持つ志高き企業です。

 テキスタイルとしての品質を高めるなど、まだまだ改善する余地はあるものの、認証された薬品・染料を使って染色することは何とかできるようになり、おしゃれで信頼できるオーガニックコットンのアウターができるようになりました。

 「興和は医薬品メーカーでもあり、安全に対する意識が高いからこそできた」と、ハードルの高い国際認証の取得を振り返るとともに、「厳しい国際基準を満たすには安心できる国内生産が中心になるため、コストや生産背景などにも問題があり、今後この仕組みを定着させ維持していくについては多くの方々の協力が必要」と基準の広まりや、賛同企業数の増加を目指していらっしゃいます。

 お話を伺い、このような企業の取り組みを活かし認証の信頼性を高める為にも、認証機関の数の多さや基準のわかりにくさを解決する方法とともに、基準遵守を見守るための社会のしくみづくりも必要だと感じました。

*『tenerita』 タオル・シーツ等の商品を中心に展開してきた興和株式会社の商品ブランド名
*『TENERITA』 衣料品を中心としたオーガニック製品製造のシステムブランド

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テネリータ南青山店 認証検査風景
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興和株式会社 『TENERITA』のロゴ(左)、Global Organic Textile Standard(GOTS) のロゴ(中)、
『オーガニックエクスチェンジ』のマーク(右)



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イタリアのサッカーブランド「ERREA」とオーガビッツのコラボレーションポロシャツ。テキサスオーガニックコットン10%使用。


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インドオーガニックコットン10%の綿ジャケットを着たピーターラビット(横浜開国博で発売中)


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Lee・アメリカンライダースのデニム
  豊島株式会社
豊島株式会社のオーガニックコットン事業は、ORGANICコットンを使う事で誰もが少しずつ(BITS)地球環境に貢献するという意味をこめて『orgabits』と名付けられました。

アメリカテキサス州とインドから直接買い付けたオーガニックコットンを、その性質に合わせて日本国内で紡績する事で、高いトレーサビリティーと品質を確保。その上で、

  1. オーガニックコットンを10%以上使う事
  2. オーガニックコットンの混率を正しく表示すること
 
をルールとし、「多くの人にオーガニックコットンを使ってもらい、全体の使用量を増やすことで農薬の使用量が減るなど、地球環境の保全に貢献できる」と考え、「"環境"と"ファッション"の両立をテーマにスタートした」そうです。

 オーガニックコットン100%にはこだわらず、織布・編立の方法や染色方法に特別な規制を設けていないことから、ユーザーが既存の生産工程を変える必要がなく、モノ作りのコスト上昇を最小限にとどめる事ができ、企業としても取り組みやすく、オーガニックコットン全体の使用量増加につながりやすいというわけです。

 「正しい理解の下に自由な発想で、それぞれのコンセプトで豊島株式会社の製品部署とお客様がチームとなって新しいアイデアを産み出している」と、有名ブランドのバッグや衣料品、デパートのオリジナルブランド、デニムメーカーや通販商品などさまざまな取引先への販売実績をご紹介いただきました。

 オーガニックコットン事業『orgabits』は、取り組みやすさだけではなく、綿花取扱量日本一のシェアを持ち、『オーガニックエクスチェンジ』メンバーである豊島株式会社の社員のうち、アメリカ農務省のCLASSER(検査資格の証明)を保持する社員が、高い認証制度を誇るアメリカ・テキサス州の契約農場を中心に直接買い付けることで、安定的に良質なオーガニックコットンの供給が可能となっている点や、社員による高いレベルでのトレーサビリティにより、どの製品がどのBALEの原綿から生産されたのか、管理・追跡・証明できるという、厳しい品質管理によって支えられています。また、確実にオーガニックであることを豊島株式会社が保証するという、各種の証明書を日本語で発行している点にも特徴があります。

 今後は、「楽しく、おしゃれなエコ」としてチーム『orgabits』の拡大を目指し、「CO2排出削減量が表示できるようになり、購入により削減量がポイントに換算され、消費者に還元されるなどのしくみができれば」と、民間レベルだけではない、オーガニックコットン普及への取り組みにも期待しているとの事でした。

*『orgabits』・・・豊島株式会社が管理・追跡・証明するオーガニックコットンの原料ブランド
まとめ
今回の取材では、オーガニックコットン事業に携わる方々が、仕事の枠を超えて高い理念を持って取り組まれているのが印象的でした。それは、農薬で汚染された農場や、そこで働く人々の健康被害、農場とは離れた地域にまで及ぶ農薬による環境汚染の実態を目にされることで、危機感を抱かれたからではないでしょうか。

 このようして製造されたオーガニックコットン製品を購入することが、オーガニックコットンの普及につながり、単純に農薬の使用量を減らすという事だけではなく、汚染された土壌から排出されるCO2の削減や、農場で働く人の労働条件の改善にも貢献できるのであれば、私たち消費者もこの企業の取り組みを支援するという意味においても、ぜひ積極的に購入すべきだと思いました。しかもカラフルでおしゃれなオーガニックコットン製品なら、楽しみながらエコに貢献できるというわけです。

 製品製造システムブランド『TENERITA』の興和株式会社と原料ブランド『orgabits』の豊島株式会社でお話を伺ううち、"オーガニックコットンと言えば名古屋"といずれ言われるようになる要素は十分にあると思えました。このレポートが、両社のオーガニックコットンへの取り組みを、名古屋発信のメッセージとして一人でも多くの方にお伝えできることを期待したいと思います。

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