平成20年度活動報告

「2009〜2010秋冬ヨーロッパコレクショントレンド速報」セミナー開催報告

【開催データ】
開催日時:2009年3月31日(火)13:00〜16:30
会場:東海テレビ テレピアホール
   名古屋市東区東桜1-14-27
講師:藤岡篤子 氏(ファッション・ジャーナリスト)
受講者数:258名


こんな時代だからこそ、ファッションから強いメッセージを!
現状打破に向けた新しい試みが満載のコレクション

 「ミラノに入ったとたん、ショー中止のニュースが飛び込んできた。例年より取材やバイヤーが減少し、ショーの演出や接待も簡素だった」。毎回、ヨーロッパファッションのすべてを詳細に取材・分析し、日本での商品企画やバイイングに役立つ情報を提供する藤岡氏の今回のセミナーは、こんな衝撃的な一言で始まりました。
 世界的不況の影響はヨーロッパのコレクションをも容赦なく直撃。しかし、「ショー全体が経費削減。でも、こんな時代だからこそ『現状をどう打破するか』『今こそ、ファッションが強いメッセージを発しなければ』というデザイナーの試みがたくさんあった」と、ヨーロッパコレクションの底力を感じさせる頼もしい話題が続きました。

 「バイアス仕立てで体をやさしくハグ」したランバン、「不況の時代はクリエーションこそが人々に強いメッセージを与えることができる」と示したコム・デ・ギャルソン、大きくて美しい不燃ごみをうず高く積み上げて「なんでもかんでも」をテーマにアートなショーを演出したアレキサンダー・マックィーンなど、「未来を信じる前向きな傾向がみられた」と総合分析されました。
 カラーの傾向は、インビテーションカードに象徴されたショッキングピンクや輝き感のある官能的な黒など未来を感じさせる展開だったとのこと。藤岡氏が今シーズン気になるニュートレンドには、巨大なバタフライスリーブやリボンなどを用いたシュール・クチュールをあげられました。
 今回はパリコレクション終了が10日間遅れたことによりカラートレンドブックの配布が後日となるため、参加者たちは、藤岡氏ならではの細かな観察眼による分析をいち早くそれぞれの仕事に反映したいと、熱心にメモをとっていました。

 第2部は、ミラノ・パリ各コレクションの分析と解説。「前回、DVDによる紹介が好評だった」ため、「絶対に見て欲しいベストコレクションを、条件が許す限り一つでも多く紹介したくて」と、数多くのコレクションを映像で紹介。音楽や演出、会場の雰囲気など、説明だけでは伝わりきらない臨場感がダイレクトに伝わってきました。
 ファッションにおいて、長い歴史を誇るヨーロッパコレクション。不況といえども、その層の厚さや歴史に培われた実力は健在のようです。今回のセミナーを通じ、名古屋のファッション業界にも、その底力が伝わったのではないでしょうか。



ファッション情報冊子『源・素・様・彩』を発行

【発行データ】
冊子のサイズ・仕様:A4版 32ページ 4色刷
発行部数:450部
配布先:ナゴヤファッション協会会員、デザイン・ファッション関連企業


 ナゴヤファッション協会では、このたび名古屋という地がはぐくんできた伝統産業にスポットを当て、その伝統の技とともに受け継がれてきた、スタイルやグラフィック、色や素材などを今日的なフィルターで編集した情報冊子『源・素・様・彩』を企画、発行いたしました。
 グローバル化・均一化が進む一方で、起源やメッカに対する関心が高まるなど、人々の価値観が大きく変化する中、この冊子の発行により、確固たる起源と伝統を持つ名古屋の伝統産業の現代性を再認識し、その『源・素・様・彩』が皆様の新鮮な発見や閃きにつながり、時代を見据えたファッションのものづくりのアイディアにお役にたてれば幸いと考えております。
 その一部をご紹介させていただきます。「源・素・様・彩」PDF→



平成20年度下期インターンシップ事業報告

 H21年2月〜3月にかけて「平成20年度下期インターンシップ研修」が行われ、11社の企業にご協力いただき、7校50名の学生さんが研修されました。ご協力いただきました企業、学校の皆さま方に心よりお礼申し上げます。

<平成20年下期受入協力企業:11社>
株式会社エフリード/クロスプラス株式会社/株式会社ジュニアー/株式会社鈴丹/瀧定名古屋株式会社/タキヒヨー株式会社/ティー・エフ・シー株式会社/万兵株式会社/株式会社名鉄百貨店/モリリン株式会社名古屋支店/株式会社リオ横山

<平成20年下期参加学校:7校50名>
愛知文化服装専門学校/明美文化服装専門学校/慈恵きものファッションカレッジ/中部ファッション専門学校/豊橋ファッションビジネス専門学校/名古屋ファッション専門学校/名古屋服飾専門学校

瀧定名古屋株式会社「インターンシップ、最終日意見交換報告会」レポート

 
【開催データ】
開催日:平成21年2月27日(金)
会 場:瀧定名古屋株式会社
参加者:瀧定名古屋株式会社 取締役企画部長 北原裕三さん、総務部人事課 渡部隆司さん・研修生7名(愛知文化服装専門学校3名、明美文化服装専門学校2名、名古屋ファッション専門学校2名)

 約4週間にわたる研修を終えて、それぞれの担当部署から意見交換報告会場に集まってきた3校7名の学生たちは、研修を終えた達成感からか、みな表情が明るく研修生同士も打ち解けた様子でした。そして報告会が始まると、研修した内容や感想、反省、これからの課題などを堂々と発表し、渡部さん、北原さんから、研修初日と比べて発言内容が具体的で、非常にたくさんの事を経験し学んだようだとの評価をいただきました。
 最後に、『働くということは楽しいだけではないし、不満があったとしても文句を言うのではなく、自分から歩み寄ることも大切。そうすることで自分が変われば相手も変わるという事がわかってくるはず。待っているだけではなく自分からゲットするという気持ちが大切です。』との言葉をいただき報告会は終了しました。
 今回の研修は、今後就職をする上での貴重な体験になったことと思います。

ご協力ありがとうございました。



タキヒヨー株式会社「インターンシップ、初日オリエンテーション」レポート

 
【開催データ】
開催日:平成21年3月3日(火)
会 場:タキヒヨー株式会社
参加者:タキヒヨー株式会社 人材開発部人材開発課 片岡伸彰さん、ベビーキッズ部 デザイナー 石田妙子さん・研修生9名(愛知文化服装専門学校2名、名古屋ファッション専門学校2名、中部ファッション専門学校2名、名古屋服飾専門学校2名、明美文化服装専門学校1名)

 タキヒヨー株式会社では、5校9名の学生さんが3月3日から3月31日までの4週間研修に参加しました。初日のオリエンテーションでは、人材開発課の片岡さんからタキヒヨー株式会社の会社概要や歴史、方針、又、社会人としての礼儀やあいさつ、研修にあたっての心構えなどについてお話いただきました。
 続いて石田デザイナーから、実際の仕様書やサンプルなどを見ながら、デザイナーの具体的な仕事内容や流れについてご説明があり、生地の方向や表裏の区別、採寸場所など、学校で学んだ基礎の重要性についてもお話いただきました。質疑応答では、学生たちから情報収集の仕方などについて活発に質問が出され、研修に向けての意気込みが感じられました。4週間後には、いろいろな気付きや課題が見え、今後の学校生活においても就職にあたっても大変役立つことと思います。

ご協力ありがとうございました。



株式会社万兵ファッションクリエイト「インターンシップ、最終日意見交換報告会」レポート

 
【開催データ】
開催日:平成21年3月31日(火)
会 場:株式会社万兵ファッションクリエイト
参加者:株式会社万兵ファッションクリエイト デザイン室長、研修生9名(愛知文化服装専門学校4名、明美文化服装専門学校1名、中部ファッション専門学校2名、豊橋ファッションビジネス専門学校1名、名古屋服飾専門学校1名)

 今回の株式会社万兵ファッションクリエイトでの研修は、3月3日から31日までの4週間にかけて行われ、5校9名の学生が参加しました。
 最終日の意見交換報告会では、学生たちから活発に質問があり、予定時間を大幅に延長するほどでした。多くの学生からもっとパソコンの操作を勉強する必要性を感じたという意見が聞かれ、今後のやるべきことや課題が見えてきたようです。デザイン室長からは市場調査をする際のポイントや、コミュニケーション能力の必要性、デザイナーに求められること、就職の面接にあたっての心構えなど、質問に対しての丁寧な回答と同時に、貴重なアドバイスをたくさんいただきました。
 今後学校で取り組むべき課題や就職に向けての準備などに、今回の研修で得たことをぜひ活かしてほしいと思います。

ご協力ありがとうございました。



2009年秋冬NYコレクション速報と米国ファッションビジネス
「この時期に売上げアップのブランドとは?チェンジを如何にゲットし、生き残るか?」セミナー開催報告


【開催データ】
開催日時: 2009年3月19日(木)14:30〜16:30
会場:アイリス愛知 2Fコスモス
   名古屋市中区丸の内2-5-10
講師:宇自可 伶 氏
   (ニューヨーク在住・ファッションプロデューサー)
受講者数:118名

厳しいときこそ、次なるエネルギーが生まれる。
次代に向かってファッション業界もチェンジ!

 オバマ大統領の誕生で、新しいムーヴメントに沸きたつアメリカ。ファーストレディであるミシェル婦人のファッションに象徴されるように、アメリカのファッション界にも新しい風が吹き始めています。鋭いマーケット・アイをもつ宇自可伶氏が、この春も、ホットな話題をたずさえて名古屋にやって来ました。

 開口一番、「アメリカは『とにかく生き残ろう!』というエネルギーでいっぱい。アメリカ人は、世界不況は回復可能な『ダメージ』にすぎないと考えている。こんな時代には必ず次が出てきて、2010年代を創っていく」「自分がその『次なるもの』になろうというエネルギーが満ちている」と、やっぱり元気な発言。NYコレクションの世界でも、マーク・ジェイコブスからミシェル夫人の衣装を担当したジェイソン・ウーなど若い世代へ主人公が変わったとのこと。今回は「アメリカの元気で新しいファッションを皆さんに生で伝えたい」と、スライドも配布資料にもいつもより多くの写真が紹介されました。
 まずは、生き残りをかける百貨店やセレクトショップの戦略として、コラボレーションや低価格+トレンドを実現した大人気のファーストファッションを紹介。YouTubeやMTV世代にアピールすることで支持を拡大するファッションビジネスや、ファーストレディ・セカンドレディにも選ばれたエイジレス・ファッションが売れている理由など、リアルな話題にのせてアメリカのファッション事情を紹介されました。
 「売れるファッションは、作り手と着る人が同じバックグラウンドを持っている。ファッションに対する全体的な底が上がっている」とニューヨークの最新ショップも紹介。日本でも話題となったH&Mなどファーストファッションについて、「不況に強い!来年はアラブや中国にもマーケットを拡大する。安いからたくさん出店するが、安いだけではなくトレンドが重要」と、トレンド力の高さを評価されました。
 宇自可氏の話を聞くたびに驚かされるのは、NYの流行やショップの移り変わりの速さ。今回もリアルなファッション業界の話題やビジネスの裏話、新しいショップ紹介が満載でした。

 プリミエール・ビジョンでは、「2010年は『ゼロ』。新しい時代のはじまり。21世紀は2010年からはじまると言ってもいい」「オーガニックな感じのやさしいパステルを中心に明るさを出していく」と分析。NYコレクションのテーマやキーワードを明快に分析する宇自可氏ならではのストレートでウイットに富んだコメントに、参加者たちは肯いたり笑ったり・・・。
 たっぷり2時間、エネルギッシュでアップテンポなセミナーが進むにつれ、参加者たちにも宇自可氏のエネルギーが注がれたのか、表情が元気になっていくようでした。 最後は「景気が悪くても、次の時代を見据えて、ほんとうに着る人のことを考えて服をつくること」「今回の情報を形にして今年をクリアし、来年から新しい年をつくって欲しい」とメッセージ。
  今回のセミナーを機にNYの元気さが名古屋のファッション業界に伝播し、きっと元気なファッションが生まれてくることでしょう。


Vol.14 クリエーター交流
「ビスポークにおける靴づくりの現状とこれからの展望」


 
【開催データ】
開催日時:2009年3月12日(木)
     18:00〜20:30 講演会&クリエーター交流会
会場:7th café (セブンスカフェ)
   名古屋市中区栄3-18-1 ナディアパーク・デザインセンタービル7F
講師:「HIRO YANAGIMACHI Workshop」代表 柳町弘之氏
参加者:29名

 今回は、ビスポークシューメーカーとしてクラシックデザインの本質を基礎とした新たなデザインを提案して活躍中の柳町弘之氏をお迎えし、「ビスポークにおける靴づくりの現状とこれからの展望」をテーマに、柳町さんの靴づくりのきっかけや、ものづくりにおける考え方、心構えなど色々お話いただきました。
 参加された皆さんは、柳町さんのこだわりや考えに共感されたり納得されたり、仕事に対しての気持ちを再認識されたりと、靴づくりやものづくりにおける意見としてだけではなく、自分自身を向上するための貴重なアドバイスとして受け取られたようです。

靴づくりのきっかけ
 「このアイデアだと量産できないからコレにしなければいけない。」「家電屋さんが気に入る商品を作らないと売り場には置いてもらえない。」ということが多くの人が関わる現場ではつきもの。エンドユーザーが求めるデザインが作れず、誰に対して物を作っているのかがわからなくなり、自分の手で自分がこだわり、人が好き嫌いを言える物でものづくりをしたいと思ったのが始まり。また、靴の業界は、作る・売る・買うに距離が広がりねじれがあるのではと限界を感じ、当初の自分の思いを実現するために、直接お客様と接してお客様の望む物を作りたいと思った。

参加者へのメッセージ
何かを学ぶ時は、常にどれだけ意識して気づくかで差が出る。技術を習得すると意識しなくなってしまうが、もう一度「気づき」を意識してみる。技術を身につけるとは、そういうことの繰り返し。出来ないことが出来るようになるのは自由になるということ。安定を求めて就職先を選んでも、人生は不安定なものだから、自分を高める努力をしていって欲しい。


エコファッション Café Part1 「キックオフミーティング」

【開催データ】
開催日時:2009年2月20日(金)14:00〜17:00
会場:7th café
   名古屋市中区栄3-18-1 ナディアパーク・デザインセンタービル7F
パネラー:岡 正子氏 (株式会社エコマコ 代表取締役社長兼クリエイティブディレクター)/小黒一三氏(ソトコト編集部 編集長)/百瀬則子氏(ユニー株式会社 業務本部環境社会貢献部部長)
ナビゲーター:船橋康貴氏(株式会社フルハシ環境総合研究所)
参加者:43名

お茶を片手に気軽なエコカフェ
パネラーをぐるりと囲んで親密トーク

 年代もバックグラウンドも異なるメンバーが「エコファッションの未来」への思いを共有し、午後の光あふれるカフェに集合。エコファッションへの取り組みに向かって、キックオフとなりました。まず、第1部は、パネラーによるトークセッション。「ファッションの地産地消について」、「ファッションと食・音楽・イベントとのコラボレーションを考える」、「思いやり・やさしさ・あたたかさ・・・気持ちのいいライフスタイルの作り方」について各々の考えが語られました。百瀬氏は「自然界にあるものはいつかなくなる。地球規模で世代を超えて結びつくものがあるのでは」と発言。それを受けて小黒氏は「世界的にみてファッションの地産地消はブータンでは。一つのことを伝えられる洋服・バッグがあればそれも地産地消かも」。
 「『買えばいい』ではなく『手から手へ』伝えたい」と岡氏が話すと、「もったいない・大事にする・愛着があるという気持ちは、モノの命を大切にすること。そんな生活が『心地いい』という価値観が大切」と百瀬氏。小黒氏から「かつてはゴミ分別やエネルギー効率など科学的・数値的なものが流行。今は『ラブ&ボランティア』。人のために生きるやさしさを感じる。今の政界とは逆だね」と、最後はちょっぴり辛口の話題に。
 第2部は、「つながり(船橋氏)」「参加(岡氏)」「自然との共存(百瀬氏)」「懐かしい未来(小黒氏)」の4つのキーワード別にグループに分かれて、パネラーの方々を囲んでワークショップを展開。参加者全員が各キーワードから連想するエコについて発言し、思いをシェアする有意義な時を過ごしました。最後に、岡氏から「学生パワーを発揮して発信を」とのエールが贈られ、百瀬氏からは「自分の生き方を現すものを、わかってくれる人に渡したい」とのコメント、小黒氏からは「ナイロビソトコトマラソン」の開催発表。大いに盛り上がりを見せました。
 パネラーと参加者、それぞれの立場でさまざまな経験を生かしながら、エコファッションへの思いをつなげるために何をしていくか、今後の課題をしっかり考え、次回へ発展させていきたいと思います。



クリスマスパーティー2008 開催報告

【開催データ】
開催日時:2008年12月17日(水)18:00〜21:00
会場:カフェ/ロフェル
   名古屋市中区栄2-15-16 山一YIGビル1F
ゲスト:鷺森アグリさん(AGURI SAGIMORIデザイナー)
    竹口正和さん(アトリエエクシード クリエイティブディレクター)
参加者:ナゴヤファッションコンテスト2008入賞者/11名
    (※東海三県近郊在住の学生の方限定)

クリスマスケーキを食べながら、
鷺森アグリさんを囲んでカジュアルパーティー

 2008年12月17日に、白川公園の近くにある小さなカフェ「ロフェル」で、クリスマスパーティー2008を開催しました。今回は「ナゴヤファッションコンテスト2008」の入賞者で、東海近郊在住の学生の方々をお呼びして、参加していただきました。
 ゲストは、「ナゴヤファッションコンテスト2007」でグランプリを受賞された後、東京コレクションにデビューした鷺森アグリさん。当日は急遽、アグリさんの学生時代からの先生でもあり、AGURI SAGIMORIのバックアップも手がけている竹口正和さんも参加されました。
 一人ずつ簡単な自己紹介をしていただき、クリスマスケーキやカジュアルフードを手にしながら、ゲストのアグリさんと竹内さんのトークショーで始まりました。
 「両親がアパレル関係の仕事をしていたので、自然と同じ方向を目指すようになりました」というアグリさん。
 「学生時代はどのような勉強をしましたか?」という質問に、「上手くはないけれど、絵もデザインもそれなりに出来ると自分では思っていたので、コンテストに応募していました。初めの頃は、なかなか入選できず、なぜ入選しないのかが解らずに悩みましたが、1つ入選してからは次々に入るようになりました。コツをつかんでからは、いろいろと応募していました」と学生時代から意欲的にコンテストに取り組んでいた事を語られました。
 「学生時代はどれくらいコンテストに応募したのですか?」という質問には、「6回目の挑戦で初めて入選し、その後はナゴヤファッションコンテストやオンワード新人デザイナーファッション賞など6つの賞をいただきました」とのこと。コンテストに入賞した皆さんに向けて、デザイン画の大切さや学校での勉強の取り組みなどに関してお話しをされました。竹口さんはファッションに興味を持ったきっかけや、ご自身のブランドの事などをお話し頂き、皆さん真剣に聞き入っていました。
 午後7時からは、各自で作成したプレゼン資料や、作成中の作品などを見せ合いながら、名刺を交換して楽しく交流をしました。アグリさんや竹口先生に資料をお見せして、直接アドバイスをして頂いたり、学生の皆さん同士でコンテストの際の作品についての意見を伝え合ったりと、普段は交流が少ない他校の方々と貴重な時間を過ごす事ができました。終了予定時間を延長し、コンテストの時にはお話が出来なかった方たちと、意見を交換する良い機会となりました。ご参加頂いた学生の皆さん、ありがとうございました。



お天気予測で商売繁盛!!「旧暦に学ぶ2009年お天気予測」セミナー開催報告

【開催データ】
開催日時:2008年11月26日(水)13:30〜15:00
会場:栄ガスビル 4F会議室
   名古屋市中区栄3-15-33
講師:小林弦彦 氏 旧暦お天気博士(元倉敷紡績株式会社常務取締役)
受講者数:76名

梅雨入り早く、夏が長い2009年。
旧暦で天気を予測して、賢いビジネスを!

 年賀状はなぜ、春でもないのに「賀春」「初春」?雨の多い6月がどうして水無月?暮らしの中で感じる暦の疑問etc。その原因は「旧暦」と「新暦」の違いにあるらしい…。「旧暦で天候を読め」と啓蒙活動を続ける小林弦彦氏の人気セミナーに、今年も繊維業界はもちろん、飲料水・食品からも多くの参加者がつめかけました。

 小林氏は「来年は夏が4ヶ月 と長く、年央より気候があれる。 シーズン的に大きく変動する難しい年」と総括予測。「今回は若い参加者が多いので」と、まず『旧暦とは何か』の説明から。太陽と月の運行に基づいた旧暦を用いていた日本の暦が、突然、「新暦」に切り替えられたのは明治5年12月3日(新暦の明治6年1月1日)。「これがのちのちの災いのもと」となり、実際の季節と暦とが合わなくなったのです。
 「そのズレの影響をいちばん受けているのが繊維業界」と小林氏。「来年は夏が非常に長く、秋冬がズレ込む」「残暑が厳しいため“手を変え、品を変え”企画に工夫が必要」と予測されました。中盤にはこれまでのセミナーで初となる「来年の月別概況」を紹介。月ごとの天候予測とその対策とあって、慌ててメモをとる人が多く、話の内容を一言も聞き逃すまいと真剣な面持ち。小林氏は長年の研究データが満載の配布資料を参照しながら、「東アジア人である日本人は旧暦のほうが暮らしやすい」「旧暦は商売の指針であると同時に、日本の文化を理解するために有益なもの」だと言及。「この資料を活用して、自分なりの天候予測を立てること」と述べられました。

 旧暦による予測は、どんな業種でも活用できる考え方。「来年は難しい世相で景気も悪く、天候も難しい。でも、今日の話を活用して売上げアップを。お天気予測で商売繁盛!!」と元気に締めくくり。セミナー終了後も質問が相次ぎ、参加者の関心は昨年以上。さて、来年はどんな天候となり、商売にどんな影響を与えるのか―。今日のセミナーが、来年の販売戦略の大きな羅針盤となることでしょう。



インターンシップ事業報告 〈インターンシップ意見交換会〉

 
【開催データ】
開催日時:2008年11月20日(金)16:00〜19:00
会場:ラウンジ
   名古屋市中区栄3-18-1 ナディアパーク・デザインセンタービル6F
参加者:インターンシップ受け入れ企業8社・9名/インターンシップ研修生派遣専門学校8校・12名/愛知県服装学校協会1名/ナゴヤファッション協会6名

早まる就職試験の日程により、期間や時期についての意見が活発に。

 ナゴヤファッション協会主催の「平成20年度上期インターンシップ事業」については、会員企業で受け入れのご協力を頂いた12社に、7つの専門学校から35名の学生が研修に出かけました。
 上期のインターンシップ事業が一段落したこともあり、今回の反省点や時期の考慮なども含めて、受け入れ企業側と専門学校の率直な意見交換を行うことを目的として、意見交換会が行われました。
 学校側の意見としては、「身も心も未熟な学生をここまで熱心に受け入れてくださるのかと深く感謝しています」「企業の就職試験の日程が早まっているので、インターンシップ中に就職試験や説明会が入ると、休む事になってしまう。それは出来るだけ避けたい」など、企業に対する感謝の気持ちや受け入れ期間についての意見が多くだされました。受け入れ企業からの意見は、「5月頃は展示会などもあり企業は多忙」「上期6月中〜7月、下期2月〜3月が望ましい」という意見もあれば、「短い期間の中では、学生の能力を重視した上で仕事を配分するのはある程度やむを得ないのでは。CADが使える人などは即戦力。」「ヤング・ミセス・カジュアル・エレガンスなど方向性だけは固めていただき、どのブランドで働きたいのか掘り下げて考えてきて欲しい」という、実際に働くことについての意見が多く出されました。
 企業の実際の仕事を体験し、知ってもらうだけではなく、ファッション業界全体でより一層、優秀な人材の育成の発展につなげていきたい、という思いは双方が感じていらっしゃることのようです。このような有意義な意見交換が行われた後、18時頃から懇親会へと移行し、飲み物を片手に学校側と企業と気さくにお話をされていました。今回の意見交換の意見を真摯に受け止め、今後のインターンシップ事業に活かし、より実りのある事業として行っていく事ができますよう、協会としても全力を尽くして取り組んでいきたいと考えております。会員の皆様方のより一層のご支援、ご協力をお願いいたします。



「2009春夏ヨーロッパコレクショントレンド速報」セミナー開催報告

【開催データ】
開催日時:2008年11月7日(金)13:00〜16:30
会場:ナディアパーク デザインホール
   名古屋市中区栄3-18-1 ナディアパーク・デザインセンタービル3F
講師:藤岡篤子 氏(ファッション・ジャーナリスト)
受講者数:317名

サブテーマは“人類と大自然との関係”
リアルクローズにインパクトアクセサリーでパワフルさを演出。

 毎回好評を得ているヨーロッパのトレンドセミナー。刻々と変化するトレンド情報を得るため、会場は多くのアパレル関係の方々などで溢れていました。
 今期はファッション界も例外なく世界的な経済危機に飲み込まれ、ラグジュアリー=クールな時代とは言えなくなり、演出などもノーマルなものに戻ったそう。「オーガニックや環境問題など、人類と大自然との関係を探り、人間の本質を追い求めている」傾向があり、エコロジカルで原始的な生命力を感じさせるニュートラルカラーを基調にしたアイテムが多く発表されていたそう。また、アフリカの大自然やトライバルアートに刺激されたラグジュアリーなプリミティブがトレンドとなっているようです。

 他に今シーズンの特徴としては、リラックス感漂うリアルクローズに、半貴石などでオブジェの様に存在感のあるジャイアントアクセサリーを効かせること。ファッションジャーナリストである講師の藤岡氏もゴージャスなインパクトアクセサリーをエレガントに着こなしていらっしゃいました。
 カラーとしては、「目にも心にもやさしいカラー」が目立ち、白で始まるメゾンも多かったそう。シルエットとしては「ふんわりしたムース」のように膨らんだフォルムや、不規則なタックでゆがみを加えて緩さを残した、複雑でフェミニンなフォルムなどに注目です。他にもアンコンジャケットやアクセントカラーについてなど、次々とトレンドを分析し、微細な説明とともに紹介されました。

 今回初めての試みとして、プラダやイブサンローランなど、今シーズンのミラノ&パリベストコレクションの動画が映し出され、会場内の方々も興味深く見入っていました。また休憩中には、コレクションのバックステージなどの写真が画面に写し出され、モデルの生き生きとした表情を見ることが出来、普段見ることの出来ない臨場感のある雰囲気を味わえました。
 多彩な情報と丁寧で細やかな分析で、2009S/Sヨーロッパコレクショントレンドをたっぷりと吸収できるセミナーとなりました。



「2009春夏NYコレクション速報と米国ファッションビジネス」セミナー開催報告

【開催データ】
開催日時:2008年10月16日(木)15:00〜17:00
会場:名古屋ガーデンパレス 3F 葵
   名古屋市中区錦3-11-13
講師:宇自可 伶 氏
   (ニューヨーク在住・ファッションプロデューサー)
受講者数:151名

売上げ2割増しのカジュアルセレクト
アパレル不振でも売れる服と戦略を検証

 リアルタイムでNYの情報が手に入る人気のセミナー。今回は過去最高の来場者数で、満席となりました。9月上旬に行われたNYコレクションをつぶさにレポートし、最先端のアメリカファッション事情に詳しい宇自可伶氏が、そんなアメリカのファッション事情をもとに次期春夏のトレンドと売れる服を予測。たっぷり語っていただきました。

 「NYは、とにかく売れないといけない。そこが、モードやカルチャー的要素が強いヨーロッパコレクションといちばん違うところ」と宇自可氏。売り上げは価格帯と深く関係しているとのこと。今回のセミナーは、株価の悪化という厳しい現実に直面するアメリカのファッションビジネスの考え方のお話から始まりました。

 春夏NYコレクションは、エコや選挙、オーガニックをキーワードとしたテーマが多く、ファッションだけでなくインテリアや食など、トータルなライフスタイルを提案するものが売れているそうです。その一例として、デザイナーとのコラボで上半期の売上げを29%アップした人気のカジュアルセレクトショップ「Urban Outfitters」のビジネスモデルを紹介。店内に人気デザイナーのコーナーがあり、トレンド感が充実していて、若いコが大好きなイメージなのだそうです。
 続いて、同じ会社のレトロフレンチカジュアルのセレクトショップ「Anthropologie」も取り上げ、「手に取りやすい商品が多く、ディテールのある商品がいい。百貨店で買う人を基準にすれば価格も手頃」、「カーディガンが売れ筋。服はwebでの売上げも大きい」とのこと。
 さらに「夏のNYファッションは、ハンプトンから発信される!マンハッタンから車で2時間半ほどのこの場所は、イケてる海辺の別荘地」と、春夏ファッションに大きな影響を与えるカルチャーなど、現地ならではの話題を楽しく盛り込みながら、注目のショップを次々と紹介されました。

 続いて、Spring 2009 NY Collectionのトレンドについては、「不安な情勢だからこそ、リアリティを求められた。売上げをアップしているブランドはフェミニンなトレンドで元気いっぱい」と総括。「ふわふわしたミューズ風のドレス、白いラッフルドレスなど、ダークな世相だからこそ女性に輝いて欲しいという気持ち。そうでないと経済も回復しない。でも日本は逆に空気を読みすぎて世相に融合するファッションをしすぎ」と厳しい指摘をされました。
 さらに、ジャンプスーツ、ビッグショルダー、セレブに人気のBandingドレス、エレガントなゴス、メンズジャケット・カジュアルなど、注目のトレンドを紹介。日本のファッション業界にも取り入れたい情報が数多く紹介されました。

 最後は、NYファッション界の事情を絡めながら、デザイナーごとにNYコレクションを紹介し、ショー会場のイメージや傾向を楽しく伝えて下さいました。宇自可氏の話をこれからの商品づくりに生かそうと熱心に耳を傾ける参加者には、「売れるものは、ほどほどのトレンド感がなくてはダメ!とにかく元気のあるモノをつくってください」とのエールをいただきました。



平成20年度上期インターンシップ事業報告

 今年もナゴヤファッション協会会員企業および愛知県服装学校協会のご協力の中、ファッション業界の優秀な人材を育てるために5月からインターンシップ研修が行われました。「平成20年度上期インターンシップ研修」は8月まで4ヶ月に亘って行われ、受け入れ企業12社で7校・35名の学生に研修参加をいただきました。ご協力いただきました企業、学校の皆様方に心よりお礼申し上げます。

<平成20年上期受入れ協力企業:12社>
猪村工業株式会社/株式会社エフリード/クロスプラス株式会社/株式会社ジュニアー/株式会社鈴丹/瀧定名古屋株式会社/タキヒヨー株式会社/株式会社二葉/万兵株式会社/株式会社名鉄百貨店/モリリン株式会社名古屋支店/株式会社リオ横山

<平成20年上期参加学校:7校・35名>
愛知文化服装専門学校/明美文化服装専門学校/高桑服装専門学校/中部ファッション専門学校/豊橋ファッションビジネス専門学校/名古屋ファッション専門学校/名古屋服飾専門学校

タキヒヨー株式会社「インターンシップ、初日オリエンテーション」レポート

【開催データ】
開催日時:平成20年7月1日(火)9:50〜12:45
会場:タキヒヨー株式会社 名古屋ルーセントタワー24階・リクルートルーム
参加者:タキヒヨー株式会社人材開発部人材開発課 片岡伸彰さん、ベビーキッズ部 デザイナー石田妙子さん・研修生5名(中部ファッション専門学校4名、愛知文化服装専門学校1名)

デザイナーの夢に近づく2週間

 今回のタキヒヨー株式会社での研修は、7月1日〜7月11日まで2週間かけて行われ、デザイナーを目指す5名の女子学生が参加しました。研修を始める前に、タキヒヨー株式会社の歴史や方針、会社で働く際に大切なあいさつや礼儀など、片岡さんから丁寧なご説明がありました。「自分自身で目標を持って10日間の研修を過ごして下さい」、という研修に向けての心構えについてのお話に、研修生からは「勉強している事と、社会で求められている事との差があると思うので、その違いを直接見つけたい」、「デザイン業務をしっかりと学びたい」、「生の現場でどんな仕事をしているのか知りたい」など、意欲的な意見が出ていました。
  また、ベビー服のデザインをされている石田デザイナーから、実際に描かれた仕様書を見せて頂いたり、情報の収集方法や、生地の種類を理解すること、採寸の重要さなど様々なお話を伺い、皆さん興味津々でした。石田デザイナーからは「優しい先輩が多いので、困った時にはきちんと聞く事が大切です」と、心配を取り除いて頂いたので研修生も安心した様子でした。オリエンテーションの最後に各セクションのショールームを見学し、サンプルやマップ、企画書など実際に商談に使用している物を生で見て、触れて、学びました。今回の2週間の研修期間は、今後就職をする上での貴重な体験となり、大変役立つこととなると思います。

ご協力ありがとうございました。

お問合せ先
ナゴヤファッション協会 宇佐見・渡辺
TEL:052-265-2030
FAX:052-265-2036


クロスプラス株式会社「インターンシップ最終日、意見交換報告会」レポート

【開催データ】
開催日時:平成20年6月27日(金)18:00〜19:30
会場:クロスプラス株式会社 本部1F会議室
参加者:クロスプラス株式会社 人事部課長 相馬克哉さん、人事部 中村梨江子さん、人事部 井上葉子さん・研修生6名(愛知文化服装専門学校2名、名古屋服飾専門学校2名、中部ファッション専門学校1名、名古屋ファッション専門学校1名)

コミュニケーションの大切さを確認

 今回のクロスプラス株式会社での研修は、6月16日〜27日まで2週間かけて行われ、デザイナー・パタンナーを目指す6名の女子学生が参加しました。最終日の27日には、クロスプラス株式会社 人事部 井上さんの進行で報告会が行われ、研修に参加した学生たちが各職場での研修の内容や感想などを報告し合いました。 「将来の自分の仕事として、イメージがつかめた」、「デザイナーはいろんな電話の対応、工場さんや附属屋さんとの打合せなど想像以上の仕事をしている」、「MDや営業の人たちとの打合せ、議論も多くコミュニケーションが必要」などの感想が寄せられました。
  人事部課長の相馬さんがおっしゃるには、「ブランドごとにMD・デザイナー・パタンナーが一緒に集まっているのが、当社の特徴です」とのことで、ブランドごとの話し合いがスムーズに進むように社内で配慮されているそうです。中村さんは「コミュニケーションがとても重要です」と、学生の方たちに社会生活において大切なことを伝えていました。実際に現場でいろいろなお手伝いなどをさせていただく事で、将来の働き方をより具体化してイメージできるようになり、参加者全員が大変勉強になった事を感謝するとともに、新たな目標に向かってスタートしました。

ご協力ありがとうございました。



Vol.13 クリエーター交流会
「自然の中からデザインを」


【開催データ】
開催日時:平成20年9月12日(金)
     18:30〜20:00 セミナー
     20:00〜21:00 カジュアルパーティー
会場:靴デザイン・クラフトスクール
   名古屋市西区栄生1-3-10
講師:「BELPASSO(ベルパッソ)」靴作家 捧恭子(ささげ きょうこ)さん
参加者:52名

 13回目の今回は、ヨーガンレールでテキスタイルデザインに携わった後、エスペランサ靴学院、ミラノの靴学校「ARS STURIA in Italia」にて靴作りを学ばれた「ベルパッソ」の靴作家・捧恭子さんをお迎えしました。おしゃれ工房で革小物の講師もされたことのある捧さんに、心地よく履ける靴作りについて丁寧にお話をしていただきました。

イメージをかためる
 捧さんの作る靴は、「朝露」、「けやき」、「アップルミュール」など、自然の中からイメージされたデザインを、エレガントに遊び心も取り入れて作られているところが特徴的です。作る際に「何を表現するのか」、「どんなスタイルに合わせる靴をつくるのか」など、靴のイメージをしっかりとかため、型紙の作り方を考えてデザイン画を作成するのだそうです。

履き心地
 デザイン画を元に作成した靴全体のバランス、イメージ通りに表現出来たかを検討します。素材の適切さや、不自然なラインはないか、履いた時に足が綺麗に見えるかどうか、時間をかけて確かめるそうです。オーダーの際にはお客様に合った木型を作成し、足に合わせて革をのばし、少しでも不具合があれば心地よく履けるように足に合わせて、お直しをするそう。見た目に美しいだけでなく、履き心地の良い靴を作るという細やかな心配りが随所に伺えました。

物作りへの思い
 捧さんの物作りに対する深い愛情がたっぷり現れたお話しだったので、「楽しんで物を作るという事を改めて思い出しました」、「ファッションと道具とデザインの要素を1足の靴に見る事が出来て、奥深さを感じました」、など皆さん物作りに対する思いを、改めて見つめ直す気持ちになったようでした。会場内には捧さんが作成された遊び心たっぷりのエレガントな靴や革小物が並べられ、実物を見ながら捧さんに色々な質問をしていました。デザイナーの方を身近に感じることの出来る楽しい会となりました。



ナゴヤファッションコンテスト2008公開審査・発表会

【開催データ】
開催日時:平成20年9月10日(水)1st 13:00〜/2nd 16:00〜
会場:デザインホール
名古屋市中区栄3-18-1 ナディアパーク・デザインセンタービル3F
審査員:中野裕通(ファッションデザイナー)・原由美子(スタイリスト)・岩谷俊和(ファッションデザイナー)・廣川玉枝(ファッションデザイナー)
来場者数:1st 459名/2nd 476名

手づくり生地絶賛のキッズ作品がグランプリ。

 6月10日の第1次審査会を通過した31作品の中から入賞作品が選ばれる最終審査。事前に、素材や仕上がりをチェックするテクスチャー審査も行われ、いよいよモデル着用によるファッションショー形式での最終審査の始まりです。
 紹介と共に5人の審査員が登場すると、会場も緊張した雰囲気に。まばたきもせず作品をじっと見つめる審査員、手元のデザイン画と見比べながら身を乗り出す審査員・・・・。キッズ作品が登場すると、会場から「可愛い」というざわめきが起きる場面もあり、皆さんが興味深く見守る中、31作品が次々と紹介されました。

 別室で入賞審査を重ねる間、会場では今回初めて審査員に加わった廣川玉枝氏の「SOMARTA'09 S/S COLLECTION」を上映。ナゴヤファッション協会会長 滝 茂夫氏(タキヒヨー株式会社代表取締役社長)の「皆さんにグランプリをあげたい気持ち」との挨拶のあと、いよいよ入賞作品の発表が始まりました。
 グランプリは、石原彰乃さんのキッズ作品「お子様スーツ」。作品が登場すると、会場から「あ〜、あれ!」と納得の声が上がりました。受賞の気持ちを尋ねられた石原さんは、「うれしい。チェックの柄をあわせていくところが大変だった。これからも頑張りたい」と歓びを素直に表現していました。

 審査員の講評では、廣川氏から「デザイン発想の源が個性的。足先までこだわったり、全体的にバランスのとれた作品が選ばれたのかも。ファッションの仕事は楽しいのでぜひ頑張って」とエールが寄せられました。岩谷氏からは「受賞作品からシンプルでコンセプトデザインに無駄がないことを感じた」。原氏は「デザイン画審査で『こういう服がつくりたい』と、はっきりわかるものが多く期待していたが、デザイン画と作品に差があったり、微妙なニュアンスが表現されていないものもある。レディスは『自分が着たい』と身近に引き寄せたものをつくるといい」とアドバイス。中野氏からは「長くこの審査をしているが、今回はやりたいことやコンセプトが絵で伝わってくることが多かった。のめり込み過ぎず、一歩引いてみるといい。次回はさらに期待している」とのメッセージが伝えられました。
 最後に審査員長の花井氏から、「形がシンプルで清潔感のある作品が選ばれた。メンズが3点入賞するのは久しぶり。レディスではモノをいっぱい付けすぎた作品もあった。その点、メンズやキッズのスカッとした感じが目立った」との総評をいただきました。

 表彰式のあと、審査員と製作者らによる懇親会が開催され、未来のファッションデザイナーたちが緊張の面持ちでファッション業界をリードする5人の審査員たちと一緒に、乾杯のグラスを傾けました。

審査結果はこちら→



平成20年度 ナゴヤファッション協会 理事会・通常総会・シンポジウム・交流会 開催レポート

【開催データ】
開催日時:平成20年6月18日(水)9:30〜13:30
会場:ホテル名古屋ガーデンパレス(名古屋市中区錦3丁目11-13)

環境首都をめざす名古屋から、エコ・ファッションをキーワードに新しいチャレンジ

理事会・総会
 昨年、設立20周年を迎えたナゴヤファッション協会の平成20年度理事会・総会が開かれました。まず理事会では、岡田会長の「ファッション業界は内需に対応するビジネス。消費の低迷など厳しい状況におかれているが、名古屋でのCOP10 (生物多様性条約第10回締約国会議)開催も決まった。今こそ元気な名古屋をみせる真骨頂」との挨拶のあと、議案書に基づいて議事が進行。平成19年度事業報告・収支決算、平成20年度事業計画・収支予算が承認されました。
 続いて総会では、あらためて岡田会長が「21世紀は環境の世紀。名古屋は環境と経済発展のバランスがとれており、環境先進地域として注目される都市になるエコファッションをテーマに、さまざまな知恵を出し合うことが大切」と挨拶。議事と承認も滞りなく進行し、新会長に選任された滝茂夫タキヒヨー株式会社代表取締役社長からは「ファッションコンテスト2008を中心として人材の開発、実務に適した情報発信をしていきたい」との挨拶をいただきました。
 最後に来賓を代表して中部経済産業局産業部の田島氏が壇上に立ち、「ファッションを含めた繊維業界も厳しいと聞いている。新しい素材、新しい取り組みなど皆さまのお役に立てるよう努力したい」とのメッセージをいただきました。
[総会出席者:66名]

エコファッションシンポジウム
「エコで売れる エコで楽しむ ファッションのツボ! 〜環境時代の新しい価値創り〜」

〔パネラー〕*50音順
岡 正子 氏 株式会社エコマコ 代表取締役社長 兼 デザイナー
門前貴裕 氏 ソトコト編集部 ファッション担当
百瀬則子 氏 ユニー株式会社 業務本部環境社会貢献部部長

〔ナビゲーター〕
船橋康貴 氏 株式会社フルハシ環境総合研究所 代表取締役社長

 今回は、地球規模で高まっている環境とファッションとの関係を考えるシンポジウムを開催。関心の高いテーマであり一般の方も参加できるとあって、会場は急きょ席を増やすほどの超満員となりました。
 ナビゲーターの船橋氏による「ようこそ、歴史的な瞬間へ」との挨拶のあと、映像を用いてパネラーの自己紹介を兼ねた活動紹介がされました。
 「21世紀にはどんな服を着ることになるのだろう?」という疑問から現在の活動をはじめたという岡氏。「これまでのヒト・モノから、コトを紹介する雑誌を」という新しい価値観の雑誌「ソトコト」の編集に携わる門前氏。「創業者の『“点”と“線”ではなくて“面”で商売を展開しよう』という思いが、今となっては非常にエコ。エネルギーや流通の問題だけでなく環境に良い商品を売ることが必要」と実践的な取り組みを紹介された百瀬氏。三者三様の立場から、環境への多角的な活動が紹介されました。
 「食品ゴミを堆肥に利用した野菜を売っているが、消費者は“生ゴミでできた野菜”という看板を見てではなく、おいしくて新鮮だから買う。服も『エコだから』ではなく『着やすくてよい』から買ってもらえる」と現場の声を伝えられた百瀬氏は、「サスティナビリティという言葉に、“持続可能”だけでなく“次世代のために”という意味を持たせている。いろいろな関係があって自分が生きていることを実感してほしい」とビジョンを語られました。
 岡氏からは、「エコの基準がわからないという声も聞こえる。100%ではなく、やれることとからやってみる姿勢が大切。ファッション業界はともすれば流行を変えたがるが、デザイナーは形だけでなく価値基準を作っていくことが大事」とファッション業界への厳しい指摘もありました。ロハス・ムーヴメントの仕掛け人でもある門前氏も「カッコイイが大前提。そこをクリアしたうえで身近にできることから社会貢献を」と述べられました。
 途中、ナゴヤファッション協会によるアンケート結果も紹介され、消費者の意識が紹介・分析されました。
[シンポジウム出席者:158名]

交流会
 シンポジウム終了後は、会場を移して交流会が開催されました。長谷川二三夫名古屋市市民経済局理事の挨拶と滝茂夫新会長タキヒヨー株式会社代表取締役社長の乾杯の発声のあと、パネラーの皆さまも交えてなごやかに歓談が続きました。
 会場に用意された自然由来の素材を使用したエコマコの服、ユニーの環境保護活動や雑誌「ソトコト」、フルハシ環境総合研究所が取り組む「エコモチ」の活動を紹介したパネル・映像なども交流会を一層盛り上げていました。
[交流会出席者:157名]



「ナゴヤファッションコンテスト2008」第一次審査レポート

【開催データ】
開催日時:平成20年6月10日(火)12:45〜15:30
会場:ナディアパーク・デザインセンタービル6F デザイン工房
審査員長:花井幸子(ファッションデザイナー)
審査員:中野裕通(ファッションデザイナー)・原由美子(スタイリスト)・岩谷俊和(ファッションデザイナー)・廣川玉枝(ファッションデザイナー)
応募総数:4,321点(レディス3,113点/メンズ639点/キッズ569点-うち海外からの応募点数208点)
第1次審査通過数:31点(レディス19点/メンズ6点/キッズ6点)

国内外から4000点を超える応募。31点が第一次審査を通過。

 日本を代表するファッションクリエーターが審査員に名を連ねることでも知られる、国内外の新進デザイナーの登竜門として高い評価を受けている「ナゴヤファッションコンテスト」。今回もファッションに熱い思いを抱く国内外の若いクリエーターたちから予想を超える多数の応募があり、その第一次審査が6月10日に行われました。
 予定時間より少し早めに始まった審査は、例年以上に白熱。テーブルいっぱいに広げられた作品をのぞきこむように、5人の審査員がデザイン画をチェックしていきます。作品を見比べたり、添付された生地の手触りを確かめたり、ときには気になる作品の前で足を止めながらもスピーディに作品を選んでいきました。
 日本のファッションビジネスをリードして30年以上の審査員曰く、「デザイン画からその人が訴えてくるものが見えてくる」とのこと。「コンクールだから、今まで見たことのないもの、感じたことのない何かがある作品も気になるかな」と語られました。
 評価の分かれた作品や同数票を得た作品の前では、「形がおもしろいのはこっち?」「このデザイン、どれくらい本気で考えているのかな」「全体のバランスはどうだろう?」と審査員の先生方の議論も熱を帯びていました。
 審査は集中的にすすみ順調にレディス・メンズ・キッズそれぞれの通過作品が決定。9月10日に行われるファッションショー形式の最終公開審査に向けて、熱い火ぶたが切って落とされました。
詳しくは→