平成18年度活動報告

クリエーター活動報告5「バイヤーから見たシューズマーケットの状況」

【開催データ】
開催日時:2007年3月30日(金)18:00〜20:30
会場:カフェ&デリ シンド(名古屋市中区錦2-5-29えびすビルPart.1 1F)
講師:ファッションコーディネーター 鈴木雅子 氏
参加者数:靴を中心とした職人&学生とファッションクリエーター/30名

去る3月30日、雑貨全般をディレクション、バイイングすることはもちろんのこと、モノ創りも手掛けているフリーランスのコーディネーター鈴木雅子さんにお越しいただき、長者町にあるスローフードのお店「カフェ&デリ シンド」にて、クリエーター交流会2回目となった靴を中心とした雑貨のセミナーを行いました。

鈴木さんは、11年在籍された銀座松屋(百貨店)の雑貨担当コーディネーターとしての経験をもとに、バイヤーとしての視点を持ちながら、次に百貨店としてお客様に喜んでいただけるような新しいブランドの発掘、売場のコンセプトを考えることが必要で、ディレクションをし、トレンドを押さえ、同時にマーケット情報を把握すること、また新たにワールドの雑貨ブランド&ショップ「ルージュルー」でのモノ創りについての必要な仕事内容と'07〜'08A/Wトレンド情報について詳しくお話しくださいました。

その中でもミラノで開催のニテル(バックの展示会)、ミカム(靴の展示会)への出展メーカーの中には、ヨーロッパのユーロ高騰における影響が、取引先はEUのまま、生産地をヨーロッパから他の地域に変えることによって上代を維持したり、日本のバイヤーは、パリやミラノでは買えず、再度、国内で作り込みをしているとの厳しくも嬉しい状態が戻ってきている。また、日本人の若いクリエーターは、海外の展示会への出展には、とても意欲的であると言う大変、嬉しいお話もいただきました。

今回の参加者アンケートより「雑誌情報からは読みとれない内容が多くとても良かった。」とのコメントもありました。



2007〜2008 秋冬ヨーロッパコレクショントレンド速報セミナー 開催レポート

【開催データ】
開催日時:2007年3月27日(火) 13:30〜16:30
会場:デザインホール(名古屋市中区栄3-18-1 ナディアパーク・デザインセンタービル3F)
講師:藤岡篤子 氏(ファッション・ジャーナリスト)
参加者数:326名

オーソドックスでありながら、新しいテクスチャー・輝き感・ボリュームの三位一体がトレンド

中部ファッション業界にも大きな影響を与える藤岡篤子氏のセミナー。今回も、いち早くヨーロッパコレクションのトレンドを知ろうという関係者であふれました。
ヨーロッパコレクションの2007-2008秋冬のトレンドは、英国調のようなオーソドックスさと秋冬のベーシックさを持ちながら、それが新しいものを生み出すもととなって必ず新しいアイデアが盛り込まれているとのことで、「大変おもしろい」とか。
主流となるのは、シンプルな大人のマスキュリン。「アイデアは伝統的でも、こなしがアバンギャルドな展開」で、「色はグレーや黒を基本としてコパー&ガンメタルなど輝きのある素材感が特徴的」とのことです。
聴衆がファッション関係者ということを意識し、藤岡氏の分析はいつもながら専門的かつ細分化された内容。来シーズンのファッションビジネスの成否を左右しかねない重要な分析だけに、会場では、熱心にメモをとる姿も多く見受けられました。
「魅力的な大人のマスキュリン、セダクティブ・マスキュリンや、プロテクト機能を感じさせるウォリアーズが特徴的」というニュートレンドの分析に続き、「びっくりするような素材が用いられた」ラディカル・スタンダードなど「数は少なくても影響力は大」という過激な試みも紹介されました。シルエットや素材・柄などの詳細についても、コレクションの作品からピックアップした具体的な説明が続きました。
さらに「長い手袋との組み合わせも多い」キーアイテム、「ジップ使いでハードさを強調した」デザインや、「ボリュームを出す今シーズンの主役」タックなど、細部にわたっての分析が続けられました。
休憩のあとは、「バイヤーとジャーナリストによるランキング紹介」「ミラノ・パリのプレタポルテコレクション」を紹介。インビテーションカードの分析に始まり、ミラノ、パリそれぞれのコレクションをひとつひとつ丁寧に紹介されました。
「ガラス張りの温室のイメージ」のブルーガールや「マーケティング的なデザインが多い」ボッテガ ヴェネタ、「画家フェルメールの色をイメージした」ルイ・ヴィトンなど、説明の端々に、実際にショーや展示会に出席して取材をする藤岡氏ならではの話題や耳寄りな情報がふんだんに盛り込まれ、聴衆は皆、目を輝かせて聞き入っていました。


「2007-8 秋冬NYコレクション速報と米国ファッションビジネス」セミナー開催報告

【開催データ】
開催日時:2007年3月14日(水) 13:30〜15:30
会場:アイリス愛知 2F コスモス(名古屋市中区丸の内2-5-10)
講師:宇自可 伶 氏(ファッションプロデューサー)
参加者数:126名

ナゴヤ2度目のNYコレクション&ビジネストレンドセミナー。
アメリカのファッショントレンドと、「NY発MD養成講座」。


ナゴヤファッション協会の招聘により2度目の来名講演となった宇自可氏。「名古屋は東京大阪より活気がある。大好き!」と、前回にも増して、名古屋の街を気に入ってくださったようです。
今回はアメリカのファッショントレンドだけではなく、宇自可氏が10年来続けていらっしゃるファッションマーケティングのお話をお伺いすることになりました。出席者のキャリアに配慮して「学生よりも現実的な話を」と、最初から「MDに必要な7つのRights」という専門的な話に。「トレンドを把握するとき、その流行が最先端なのか、ピークなのか、ピークを過ぎたがまだ売れるか、を知ること。すべてがトレンドではない。MDはトレンドに振り回されず、大きなトレンドのサイクルを見極め、波を読む眼を養うこと」、「バイヤーと消費者の購入期にはズレがある」などといった実践的な話があり、「数値をしっかりわかっていなければ、良いMDにはなれない」と、世界マーケットを視野に入れたMD戦略として、数値データを読むことの大切さをさまざまな例を挙げて説かれました。
後半は、今年の秋冬NYコレクションの紹介。今年は「鮮烈な色を感じさせる色使いと素材感、フォルムを強調したアーキテクチャルなフォルムがトレンド」とのこと。アーキテクチャル、アウトラインフォーム、クラシックメンズなど傾向やシーンごとに分類したコレクション作品が紹介され、宇自可氏ならではの、アメリカのファッション界情報を交えた楽しい説明となりました。さらには、200ほどあるNYコレクションの中から、若いデザイナーを中心に、宇自可氏が今「いいな」と思っているというコレクションが、デザイナー別に紹介されました。
講演の最後には、「いつまでも同じMDの発想ではなく、進化していくこと、変えていくことを念頭に」と聴衆に呼びかけられ、現在MDとして活躍している人、これからMDをめざす人、名古屋のファッション界で頑張っている人、それぞれが、宇自可氏からビジネスのヒントと新しい課題をいただきました。


お天気予測で商売繁盛!! 「旧暦に学ぶ2007年お天気予測」セミナー レポート

【開催データ】
開催日時:2006年12月13日(水) 13:30〜15:00
会場:栄ガスビル 4F会議室(名古屋市中区栄3-15-33)
講師:旧暦お天気博士(元倉敷紡績株式会社常務取締役)小林弦彦 氏
参加者数:86名

「旧暦は商売の羅針盤」。旧暦を学んで、繊維ビジネスに活用!

今回は、いつもとは趣を変えたスペシャルセミナー。繊維業界出身、ビジネスを通じて出会った旧暦が東アジアの天候の“読み”に非常に適していることを知り、以来、20年間にわたって研究を続けてきた小林氏をお迎えして、「旧暦とは何か」「旧暦をどうビジネスに結びつけ、活用するか」について興味深い話を聞かせていただきました。本セミナーにはメディアも注目。名古屋の民放TV局も取材に訪れていました。
「景気三割・天気七割」といわれる繊維業界ですが、小林氏いわく、その原因は「前年同期比較のマーケティングをしているから」。古典文学や年中行事などで感じる旧暦と新暦の違いによる季節感のズレは、私たちの暮らしに大きな影響を与えていますが、「その誤差の影響をいちばん大きく受けるのが繊維業界」とのこと。「旧暦を知れば気候が読め、商売に活用できる」と断言されます。
まず、「旧暦とは何ぞや」について、ご自身の著書と体系的にわかりやすくまとめられた資料を用いて説明がありました。旧暦には、新暦(太陽歴)との誤差を調節するため19年に7回閏月(うるうづき)が設けられて、同じ月が2カ月ある年が来ますが、その閏月による季節の調節が日本の気候に合致するとのことで、昨年の寒く長かった冬も、昨今の温暖化も、旧暦という視点から見てみれば「ちゃんと説明がつく」のだそうです。
旧暦とビジネスについても、面白い話題が続出しました。最近、中国とのビジネスが増えていますが、「旧正月がいつかを知らないと、ビジネスに支障が出る」「 “旧暦でつくり、新暦で売れ” 。売り方の提案は、シーズンをどう読むかに関係している」と、経験的にも納得できる話が次々と飛び出し、聴衆は引き込まれるように耳を傾けていました。
最後は旧暦による2007年のお天気予測をされ、「旧暦は商売の羅針盤」「旧暦を正しく知り、ビジネスに活用を」と締めくくられました。


クリエーター活動報告4 「新進クリエーターがSHOPを出店するとしたら…」

【開催データ】
開催日時:2006年12月5日(火)18:00〜20:00
会場:nara store(ナラ ストア) (名古屋市東区泉1-14-23 ホワイトメイツ3F)
講 師:小川 孝智 氏 (nara store バイヤー/代表)
参加者:クリエーター等 13名

今回で6回目となるクリエーター交流会。会場は、12月の街の煌きに彩られた久屋大通り沿いのホワイトメイツ3F、「nara store」。
テーマは「新進クリエーターがSHOPを出店するとしたら、何が大切なのか、何がネックになるのか…」。 とっても具体的でシビアなお話を、nara storeの小川さんからご自身の体験を交えながら伺いました。
小川さんは、元老舗百貨店バイヤー。百貨店時代には新進クリエーターの作品を紹介する企画にも携わり、その時出会ったクリエーターの方たちの商品を、是非自分の手で扱いたいということで、独立してショップを立ち上げたのだそうです。
「自分のクリエーション活動のためには「命がけ」、ぎりぎりのところでものづくりをしているクリエーターたちの姿を見ていると、百貨店のバイヤーとしてある意味組織に守られているままの自分では、彼らに向き合えないと思って、独立を考えました。」と語る小川さんの真剣なまなざしに、集ったクリエーターの皆さんも身を乗り出して、思わずお話に引き込まれていました。
「バイヤーさんの視点からいろいろなお話をうかがって、これからは展示会でバイヤーさんとお話しする時も緊張せずにすみそうです。」「裏のお話、本音のお話まで聞くことができて、本当に知りたかったことが分かりました。」とクリエーターの皆さん。
お話のあとには、おいしいお料理とワインでお近づきパーティ! 外は寒〜い冬だけど、それぞれの夢の実現に向けて、参加者ひとりひとりの熱い思いが伝わってくるとっても濃厚な時間を過ごすことができました。小川さん、本当にありがとうございました。
詳しくは→


NAGOYA COLLECTION by NUDIEE.com “THE SHOW !”レポート

【開催データ】
開催日時:2006年11月30日(木)19:30〜20:30
会場:デザインホール(名古屋市中区栄3-18-1 ナディアパーク・デザインセンタービル3F)
来場者数:400名
[内容]
ファッションショー「the show !」
「ニューカマーコレクション in NAGOYA」 (参加ブランド・クリエーター等) ATSUMARI((有)久野染工場・遠藤比蕗子)、h2y(花房由美子)、VOZ(野間文圭実)、TANAKAFUTOSH!(田中太)、創る人芽里(芽里)
「10 minutes show !(スタイリストショー)」 (参加スタイリスト)
三田真一・渡辺康裕・長瀬哲朗

ナゴヤファッション協会と民間イベントのジョイント企画。
次代を担うクリエーターたちの、魅惑的な世界が繰広げられました。


若手クリエーターを応援するナゴヤファション協会が、名古屋の街を舞台に企画された民間発信型ファッションイベント「NAGOYA COLLECTION by NUDIEE.com」(11月20日〜12月1日)とコラボレーション。瑞々しい感性にあふれた斬新なショー、「THE SHOW !」が開催されました。
前半は、昨秋よりファッションビジネスや連携のあり方などを考える研究会を重ねてきたクリエーターたちが、その成果を生かしてプレゼンテーションの場を創造しようと実現した「ニューカマーコレクション in NAGOYA」。5組の新進クリエーターの作品がファッションショー形式で3点ずつ登場し、伝統的な絞りの技法を生かした作品、黒をベースに幻想的な世界を醸し出したドレスなど、個性豊かな作品が紹介されました。
後半は、ファッション業界をはじめ多彩な分野で活躍中のスタイリスト3名による「10 minutes show !」。10分という凝縮された時間の中で、独自の世界観によるパフォーマンスが繰り広げられました。それぞれの概念を表現するダンス、1本のスポットライトに浮かびあがるモデル、照明一つ変わるだけで瞬時に転換するイメージなど、既成の概念を覆す新鮮な提案の連続に、会場は釘付けとなりました。
パフォーマンスの後、3人のスタイリストが登場。割れんばかりの拍手と、明日のクリエーターをめざす若い学生やファッション関係者のエネルギーが会場いっぱいにあふれていました。


2007 春夏ヨーロッパコレクション トレンド速報セミナー 開催レポート

【開催データ】
開催日時:2006年11月2日(木) 13:00〜16:30
会場:デザインホール(名古屋市中区栄3-18-1 ナディアパーク・デザインセンタービル3F)
講師:藤岡篤子(ファッション・ジャーナリスト)
来場者数:281名

装飾性の新しい工夫、サイバーとアートな雰囲気が光るコレクション。

これから本格的な冬を迎えようというこの季節、中部ファッション業界を担うデザイナーと企業各社の興味は、すでに来春のファッショントレンド。会場のホールはいつものように、熱心な関係者で満席となりました。
藤岡氏によるパリ・ミラノコレクションからみる来春のトレンドは、装飾の上にさらに装飾を重ねた高度な装飾性、日本のアニメに影響を受けたサイバー感覚、アフリカやビザンチン、スカンジナビアンな雰囲気のプリントという3つの背景による「アートやクチュールに高められた装飾性、ロマンチックな雰囲気が消えたミニマリズム」。ニュアンスのあるローズ系、混じり気のない白にサイバーホワイトなどの特徴的なカラー、中近東、ビザンチン感覚のアフリカンモダン、グラマラスなアニメの女性をイメージした「現在でも未来でもない、どこかの国の衣装のイメージ」などのニュートレンドを紹介されました。
「全体としてスクエアな感じ」「ほっそりしたラインの中で広がっていくバルーンや、誇張したヒップライン」「光沢ある大きな柄が特徴的なジャガード」、エナメル、透けるアウターなど、シルエットや素材・柄について、コレクションを見ながら丁寧に解説されました。
後半は、バイヤーとジャーナリストによるランキング紹介とパリ、ミラノの各コレクション紹介。不動のジャンポール・ゴルティエ人気と、バイヤーとは異なるジャーナリスト人気のブランドなど業界ならではの話題に触れられました。
ミラノのデザイナーズコレクション解説では、40年代のイメージで「グラマラスな女たち」をテーマにしたプラダ、日本のアニメからアイデアを得たというドルチェ&ガッバーナなど、今をときめくコレクションを紹介。続くパリコレクションでも、13万本のすみれの上をモデルが歩くイブ サンローラン リヴ ゴーシュ、「ボヤージュ」をテーマにエルメス号から下船してくるイメージでショーが構成されたエルメスなど、ユニークでホットなヨーロッパコレクションシーンが次々と紹介され、細やかな視点で鋭く来春ファッションを分析する藤岡氏の言葉を聞き逃すまいと、参加者たちは熱心にメモを取っていました。


クリエーター活動報告3 「『靴』業界のマーケット事情とこれからのモノ創りへの導き」

【開催データ】
開催日時:2006年10月27日(金) 18:00〜20:30
会場:m's cafe (名古屋市中区栄3−12−19 エムズビル1F)
講師:高橋 裕二(siete oficina _t 代表者)
参加者:靴を中心とした職人&学生及びファッションクリエーター等30名
共催:靴デザイン・クラフトスクール(主催:名古屋靴工業協同組合)

ナディアパークからほんの数十メートル…黒一色で統一された「m's collection」のビル。きらきらときらめくシルバーのショーケースを通りすぎて、奥のお部屋がオシャレなcafeスペース…ここで、またまた趣向を凝らした5回目のクリエーター交流会が開催されました。
今回のテーマは「『靴』業界のマーケット事情とこれからのモノ創りへの導き」。講師の高橋さんは、神戸で長年にわたって「靴」の小売り、企画、製造などにかかわり、現在は大手アパレルのレディースシューズのアドバイザーやブランディングを手掛けるコンサルタント会社を立ち上げているという「靴」一筋の方です。
今、「靴」は合同展示会でもあつ〜い視線を浴びていて、マーケットでも大人気の小物。高橋さんからは「日本の靴業界はこれまでOEMで安く、早く、質よく、大量に作ることによって利益をあげてきたが、これが今は中国とかに先を越されてうまくいかなくなってきている。」という現状分析がありました。しかし高橋さんによれば、靴業界というのはとても奥行きの深い世界なので、そこで新たに求められているクリエイティブ性や若い感性を、昔からの職人文化につなげていくことによって新しいシステムが構築されていく可能性がある。そういう意味ではきっかけさえあればやりたいことがやれるチャンスが、靴業界には潜在的に眠っていると言えるので、まだまだこれから楽しい夢のある業界に育っていくと思っているとのこと。だからこそ、「靴業界を目指す、若い人たちには是非とも靴をもっともっと愛してやってほしいし、靴の可能性に賭けてやってほしい。それを伝えたくて今日は名古屋に来ました。」と熱く語る高橋さんの言葉に参加した若きクリエーターの皆さんも熱心にうなずきながら、聞き入っていました。
さらに、先ごろミラノで開催されたMICAM展示会の最新情報もビジュアル資料で解説していただき、春夏以降の靴のトレンドが手に取るように分かってとても参考になったと好評でした。
このあとの交流会では、自作の靴をもって高橋さんの前に並ぶクリエーターの皆さんの熱意に、高橋さんもとても熱心にアドバイスしてくださって、時間はあっという間に過ぎていきました。
詳しくは→


セミナー「2007春夏NYコレクション速報と米国ファッションビジネス」

【開催データ】
開催日時:2006年10月19日(木) 13:30〜15:30
会場:アイリス愛知 コスモス1 , 2
講師:宇自可 伶(ファッションプロデューサー)
来場者数:70名

ナゴヤファッション協会初のNYコレクションセミナー開催。
アメリカのファッショントレンドの今。


今回は、ナゴヤファッション協会主催で初めてのNYコレクションセミナー。NYを拠点として、多彩なファッションビジネスシーンで活躍する宇自可氏のホットなトークを聞こうと、会場には期待と熱気が高まりました。
まず、「NYコレクションはパリコレとは全く異なり、LAのゴージャスセレブ系、MTV系のブランドが多い。アメリカは元気が良くて売れるものがコレクションに出てくる」と、ヨーロッパとの違いを指摘。NY、LA、マイアミを行き来するセレブのお出かけファッションでもあり、デニムの幅が広がってオフィスやパーティなど身に着ける場が拡大したことなどにより、「NYでは、コレクションにもジーンズがモード化してよく登場する」とのこと。「最近のトレンドはスキニージーンズ」「NYでは、ハリウッドセレブがファッションアイコン」であると説明し、各界セレブのファッションも紹介されました。
ブランドごとの説明では、「セレブカジュアルがデニム人気に拍車をかけている」「今のジーンズは素材もフィット感も良く、はきやすい」と分析。自らも足を運ぶという、ソーホー、トライベッカ界隈、さらには今、NYで最もホットといわれているミートパッキングのショップ情報もお話しいただきました。
続いて、2007年春夏のNYコレクションの説明に。今年はエイティーズやモロッコなど古き良きアラブの世界がトレンドとし、「アメリカは実際に売れるものでないとだめ」と、アメリカのファッションビジネス業界に身をおく氏ならではの鋭い分析を交えたテンポの良い解説に、参加者は真剣に耳を傾けていました。
最後に、数多いNYコレクションの中から「出来が良い」と氏が選んだ45ブランドについて、ショーの作品を見ながら紹介。「NYはトレンドがよく変わる」「アメリカは売り方もうまい」とファッションビジネス業界の特徴も述べられました。
新鮮なアメリカファッション業界の実情と、お話しの中でふんだんに出てくる宇自可氏の華麗で幅広いセレブな世界に参加者はすっかり魅了され、セミナーは大喝采のうちに幕を閉じました。


インターンシップ事業報告
<インターンシップ意見交換会>


【開催データ】
開催日時:2006年10月4日(水) 16:00〜19:00
会場:ラウンジ(名古屋市中区栄3-18-1 ナディアパーク・デザインセンタービル6F)
参加者:インターンシップ受入れ企業5名/インターンシップ研修生派遣専門学校7名/愛知県服装学校協会3名/ナゴヤファッション協会3名

インターンシップ事業のこれからに向けて…活発な意見交換がされました。

今年度、初めての試みとして実施されたナゴヤファッション協会主催のインターンシップ事業。会員企業10社に、現在の時点で8つの専門学校から51名の学生が研修に出かけました。
ちょうど上半期の受入れが一段落したこの時期に、受入れ企業と専門学校が一堂に会して、今回の事業の成果と問題点等について率直に意見を出し合い、次年度の事業につなげていこうという趣旨で、意見交換会が開催されました。
定刻の午後4時には、受入れ企業5社・5名、専門学校6校・7名、それに愛知県服装学校協会会長さんを始めとした3名の方々が集り、協会の渡部事務局長の挨拶から意見交換が始まりました。
特に、インターンシップの研修時期とその期間について、学校側、企業側それぞれから、具体的な意見が出されました。
「上半期は6〜8月の就職試験前の時期に2〜3週間程度の短期で、下半期は次年度に最終学年を迎える学生を対象に2〜3月の春休みをかけた時期に1ヶ月を超える長期の日程で実施してもらえると学生の負担も少なくて、実際の就職活動につなげていくことも可能なので有難い。」という意見が学校の側から出され、受入れ企業からは「受入れ時期は展示会などの忙しい時期に重なってしまうと無理。うちの場合は2月、8月の少し余裕のある時期がベスト。」「今の状況では、2週間の受入れが限度。現場の受入れ態勢もきちんとしないといけないので…。」という意見もあれば、「2週間では教えきれないうちに終わってしまうので、研修期間は少なくとも5週間はほしい。」という意見も出されました。
いずれも、これからの若い人材に、それぞれの企業の実際の仕事を知ってもらうだけではなく、「ファッション業界」について具体的に学んでもらい、優秀な人材の育成とともに業界全体のより一層の発展につなげていきたいという思いは同じ。こうした中で、活発な意見交換は予定時間をオーバーして続けられ、最後は飲み物を片手にざっくばらんな懇親会へと移りました。
今回の意見交換の成果を、下半期、さらには来年度のインターンシップ事業に生かして、より実りのある事業としていくことができますよう、会員の皆様方のより一層のご支援、ご協力をお願いいたします。


ナゴヤファッションコンテスト2006 公開審査・発表会

【開催データ】
開催日時:2006年9月7日(木) 1st 13:00〜/2nd 16:00〜
会場:デザインホール(名古屋市中区栄3-18-1 ナディアパーク・デザインセンタービル3F)
審査員長:花井幸子(ファッションデザイナー)
審査員:中野裕通(ファッションデザイナー)・原由美子(スタイリスト)・桑原直(ファッションデザイナー)・岩谷俊和(ファッションデザイナー)
来場者数:914名

コンテスト史上初!高校生グランプリ受賞者の誕生に、感動の渦。

第26回を迎えた「ナゴヤファッションコンテスト2006」は、開場前から長蛇の列。制服姿も多く、今年も若いパワーへの期待が高まります。開場と共に満席となったホールは、立ち見がでるほど。個性あふれるスタイルで審査員が登場し、ファッションショー形式の最終審査が始まりました。
モデルが登場すると、会場からは息をのむ気配と感嘆のため息も聞こえてきます。今年はキャットウォークがフロアの高さに設けられ、審査員はその先端で作品の細部を見極めるように見つめたり、スクリーンの映像と目の前の作品を見比べたりと、真剣なまなざしで審査を進めていました。
審査結果を待つ間には、2日前の9月5日に東京コレクションにて発表されたばかりの「2007 S/S DRESS CAMP COLLECTION」がビデオ上映され、今回の審査員でもある岩谷俊和氏の最新コレクションを楽しみました。

ナゴヤファッション協会岡田邦彦会長から「織機発明の地であり、織物が盛んな名古屋で、もっともっとファッション産業を盛んにしていきたい。ここにいるデザイナーの若い意欲に声援を」との挨拶のあと、いよいよ審査発表です。
ゴールド賞、シルバー賞に続いて「グランプリは・・澤野友香さん」と呼ばれスポットライトが制服姿の女性を捉えると、一瞬、驚きの表情のあと、感涙で顔をおおってしまいました。会場からもどよめきが起こりました。ナゴヤファッションコンテスト初の、高校生グランプリ受賞者の誕生です。
「大人の方に交じってのコンテスト。出られたことだけでも満足だったのに、こんな・・・」と涙で言葉も出ません。それでもすぐに「シャーリングをどう表現するかに悩み、何度も縫ったり付け直したりしました。“ものづくり"がとても好きなので、もっともっと勉強して技量を高めていきたい」と毅然とした言葉で、思いを語ってくれました。

審査員の寸評では、「手の込んだ作品が多く、全体のバランスとテクニックが美しい」「今回はいつになく悩んだ。スレスレで残念な人も多い」「絵がきちんと形になっており、コンテストが進化している」とコンテスト全体のレベルの高さを評価。花井審査員長も「皆、よく成長されました。絵も上手になったが、実際の服をモデルが着ているともっとすごい」と絶賛されました。
会場を移しての懇親会では、審査員が感想を述べ合ったり、製作者が自分の作品について審査員にアドバイスを求めたりと、若いデザイナーの卵たちの熱意が真っ直ぐに伝わってくるようでした。

審査結果はこちら→


にっぽんど真ん中祭り衣装提案コンテストFashion Show

【開催データ】
開催日時:2006年8月19日(土) 1st 13:30〜/2nd 15:30〜
作品展示:2006年8月20日(日)〜27日(日)
会場:松坂屋南館オルガン広場(入場無料)
審査員長:ファッションデザイナー ドン小西
審査員:日本舞踊西川流師範 西川千雅・月刊KeLLY編集長 堀田亜希
主催:ナゴヤファッション協会・にっぽんど真ん中祭り組織委員会

名古屋の夏を熱くする「どまつり」と初のコラボ。
若いパワーが炸裂する、エネルギッシュなコンテスト!


「名古屋の夏を彩る祭りにファッションで新たな風を吹き込もう!」と、ナゴヤファッション協会が、今年で8回目を迎える「にっぽんど真ん中祭り(通称:どまつり)」と連携して、衣装提案コンテストを開催しました。応募は全国各地から730点。デザイン画審査を通過した23点の作品が、ファッションショー形式で公開審査されました。
夏休みということもあり、会場は家族連れや買物客でたいへんな賑わい。立ち見のお客様もいっぱいです。イメージに合わせた音楽にのって、作品を着た製作者自身や友人・家族が登場すると、会場からは大きな歓声が。動きと共に躍動感が高まる作品、仕掛けのある衣装、ユニークな素材とデザインなど、個性豊かな作品が次々と登場。モデルの子ども達が緊張の面持ちで登場する作品には、会場から思わず「可愛い」と声が上がりました。
審査員席では、審査員長のドン小西氏がデッサンをしながら西川氏、堀田氏に説明したり、なにやら話し合ったり。力作揃いで、審査は白熱したものとなりました。
審査発表と表彰では、ドン小西審査員長から「10代、20代の人の作品が多いことに驚いた。目的があり、夢があるコンテストは楽しい。名古屋の10代、20代の独創性は全国レベルからみても高い」と絶賛。「名古屋のファッション産業のために、どんどんがんばってください」と大いなる期待の込められたエールが贈られました。

にっぽんど真ん中祭り衣装提案コンテスト公開審査結果→


インターンシップ事業報告
当協会では、ファッション業界の優秀な人材を育てるため、愛知県服装学校協会及び会員企業のご協力のもと、インターンシップ事業を開始しました。
初年度である今年は、10の会員企業より約80人の研修生受入れのお申し出をいただき、6月より各企業において順次研修が行われています。

[インターンシップ受入れ協力企業]
株式会社エフリード/株式会社オンワード樫山名古屋支店/三永株式会社/株式会社ジュニアー/瀧定名古屋株式会社/タキヒヨー株式会社/丹羽幸株式会社/万兵株式会社/モリリン株式会社名古屋支店/株式会社リオ横山

[インターンシップ参加校]
愛知文化服装専門学校/明美文化服装専門学校/慈恵きものファッションカレッジ/中部ファッション専門学校/ファッション専門学校常磐女学院/名古屋ファッション専門学校/名古屋服飾専門学校/豊橋ファッション専門学校

<タキヒヨー株式会社「インターンシップ最終日反省会」レポート>

【開催データ】
開催日時:平成18年7月31日(月)13:00〜16:00
会場:タキヒヨー株式会社(名古屋市中区丸の内二丁目20番19号)
参加者:インターンシップ研修生9名、研修生の指導にあたった社内スタッフ4名
進行:白木賢治(タキヒヨー株式会社人材開発部)

タキヒヨー株式会社においては、7月3日から11人の専門学校生が、テキスタイル、アパレルの各部門において就業体験し、短期で研修を修了した2名を除く9名が、研修最終日のこの日、反省会に臨みました。
反省会では、一人ずつ順番に5分間のプレゼンテーションを行いました。まず、配属された職場の仕事のあらまし、取り扱う商品の特徴などを説明し、続いて、職場体験をもとにつくった自分の企画提案を発表します。その後、研修生を指導したスタッフからコメントが寄せられました。
スタッフのコメントには、「与えられた時間の中でプレゼンしなければいけない。実際のバイヤーは暇ではない。」、「自分なりの提案が少ない。」、「提案の中に素材についての言及がなかった。」など、辛口のものも多く含まれていました。真剣な顔つきでこれを聴いた研修生たちは、期間全体の振り返りの中で、「頭の中ではわかったつもりになっていたことが、実際には全然できなかった。」、「仕事に対する自分の考えの甘さがよくわかった。」、「自分の考えだけでは売れる商品はつくれないということがわかった。」、「研修前はレディスしかやりたくないと思っていたが、他の分野もおもしろそう。」といった実感のこもった感想をのべ、このインターンシップ体験がそれぞれの研修生にとって有意義なものであったことが感じられました。

丹羽幸株式会社「インターンシップ」研修生レポート

インターンシップを終えて 宮村朋子(豊橋ファッション専門学校)
私にとって初めてのインターンシップは、毎日がとても新鮮で楽しいものでした。初日、五時半に起きるのは大変で、慣れない通勤ラッシュと人ごみにもまれながら仕事場に着いたのを思い出します。これから二週間続くんだな、と不安にかられる中、帰りのラッシュも予想通りすごく、家に着く頃にはヘトヘトで早く寝たいと思っていました。
二日目からは、やる仕事を教えてもらい、そのために市場へ出かけたり、雑誌をたくさん参考にしました。私の初仕事は「オリジナルブランドを作ること」でした。聞いた瞬間からワクワクして仕方なかった私は、デスクに座っている時も電車の中でも、アイディアを頭の中で巡らせていました。それからは不思議と毎日の通勤も苦ではなくなりました。
会社では黙々と作業を続け、自分が頭で描くものをマップにしていきました。服のデザインやプリントのデザインをしたり、構成を考えたりしたくてもなかなか時間が取れなくて、もどかしかった今までの生活とは逆に、一日中好きなことをしていられることが、どんなに幸せなことかと実感しました。また、この環境がいつもより遥かに想像力を掻き立ててくれるのが分かりました。
そんな毎日を過ごしながら、たくさんの事を教えて頂きました。自分では分かっていたつもりでも、学校と会社では大きな違いだと思いました。新しい事を知るのはとても嬉しく、驚くことが溢れていました。ブランド名や生地名なども学校だけでは全く知識が足らない分、外から吸収して自分で覚えていかなくてはならないと感じました。何でも必ずメモをする、それが財産になるのだと言って頂きました。プレゼンテーションも初めての経験で、伝えたいことを言葉にするのは難しいと思ったけれど、それを相手に分かってもらおうと実行することは想像以上に楽しいものでした。
この二週間で私が得たものはとても大きく、学校にいるだけでは決して分からなかったであろう企業内事業を、身をもって知ることができました。連休も挟んだので実際は九日間だったけれど、すごく中身の濃い日々でした。丹羽幸でみなさんに出会えたこと、学んだことが私にとって大きな財産になっていくと思います。 仕事は楽しいことばかりではないけれど、今回の体験が将来の事を現実的に考える決め手となりました。こういった機会を与えて頂き、本当にありがとうございました。

企業担当者から一言 小玉元章(丹羽幸株式会社)
非常に高いプロ意識と創作への意欲を持ってみえると思います。プロとして何が必要かを感じ取ってもらった研修になったと思います。勤務態度もまじめで更に勉強を重ね、立派なプロデザイナーになってもらいたいと思います。

 

インターンシップを終えて 松井由美(ファッション専門学校常磐女学院)
インターンシップを通して、私は会社の流れやどのような事をしているのか知りたいと思っていました。学校ではいろいろな勉強はしますが、会社の仕事の流れや実際にどんな事をしているのかはあまり分かりませんでしたので、インターンシップはそういう事を知るいい機会でした。
私は丹羽幸株式会社に研修に行き、マップを作ったり、マックを触ったりしていたのですが、その間に、先輩方のいろいろな話を聞くことが出来ました。だいたいの会社の仕事の流れや、今どんなことをやっているのか、社会に出る前までに身に付けておくといいことなど…学校にいるだけでは分からなかったことを、研修を通して知ることが出来て、本当に良い機会でした。先輩方に聞いた事をこれから学校で実行していきたいと思っています。

企業担当者から一言 小玉元章(丹羽幸株式会社)
子ども服という、企画としては最も難しい分野の仕事に挑戦してもらいました。プロとして仕事をするには、あと何が必要かを感じ取ってもらったと思います。素直で明るい方なので、勉強を重ね、成長してもらえると思います。勤務態度もまじめで社会人として頑張れると思います。



クリエーター活動報告2「クリエーションをいかにビジネスとしているか」
−アッシュ・ペー・フランスの現在とその成り立ち、そしてこれからの動き−

【開催データ】
開催日時:平成18年6月28日(水)15:00〜17:30
会場:THE TOWER RESTAURANT (名古屋市中区錦3-6-15 名古屋TV塔4F)
講師:亀山 功氏 (アッシュ・ぺー・フランス株式会社 取締役専務)
参加者:クリエーター・セレクトショップオーナー等 60名

6月にオープンしたばかりのちょっとオシャレな名古屋テレビ塔内THE TOWER RESTAURANTを会場に4回目のクリエーター交流会を開催しました。昨年末の持ち寄りパーティから始まったこの交流会も、名古屋地区を拠点に活動している若手クリエーターの皆さんやセレクトショップのオーナーさんたちの口コミ・ネットワークがどんどん広がって、今回はなんと60名の参加…会場は始まる前からはちきれんばかりの期待感でいっぱいの雰囲気でした。
アッシュ・ぺー・フランス(HPF)の亀山専務さんは、とっても気さくな感じの方で、まずはHPFの現在の活動状況からお話は始まりました。主な店舗のご紹介では次々に映し出されるひとつひとつが個性的なお店のスライドに思わず身を乗り出して見入ってしまいました。こうしたお店も基本は自前主義で作り上げているとのこと。それがHPFのあの不思議な手作り感や独特な空気を創りだしているんだと思わず納得。
さらに、HPFの成り立ちや歴史を語っていただいた中で、「HPFの中心は「ひと」であり、彼らの感性によってHPFを表現していく」という言葉にはとても重みを感じました。最後は合同展示会roomsのDVDを見せていただき、クリエーターの皆さんの中にはroomsに出たいという思いをさらに強くされた方もたくさんいらっしゃったことと思います。
続いてのカジュアルパーティはおいしいオードブルとプチケーキで…亀山専務さんの前には、クリエーターの皆さんの行列までできちゃって…お忙しい中、最後までお付き合いいただいた亀山専務さんに心から感謝しております。
詳しくは→


平成18年度 ナゴヤファッション協会 第1回理事会・通常総会・セミナー・交流会 開催レポート

【開催データ】
開催日時:平成18年6月21日(水)11:30〜16:30
会場:アイリス愛知(名古屋市中区丸の内二丁目5番10号)


尾原蓉子氏を迎え、セミナーを開催。人を育て、ファッションビジネスの成長を。

理事会
昨年の愛・地球博の成功でますます活気づくナゴヤファション協会の平成18年度理事会は、「万博の大型予算を組んだ昨年が大成功に終わり、若い人たちへの良い刺激になった。今後は人材の育成が大きな取組みになる」という岡田邦彦会長の挨拶で幕を開けました。平成17年度の事業報告・収支決算に続いて、平成18年度の事業計画・収支予算についての会議案も満場一致で承認されました。

総会・セミナー
理事会に引き続き、挨拶に立った岡田邦彦会長は、「今年度のキーワードは人材と人財」と、総会出席者に期待を述べられました。議事も滞りなく承認され、来賓祝辞では中部経済産業局の小出担当次長の「やる気のある人たちを支援する」との心強いお言葉に続いて、佐藤局長のメッセージが読みあげられました。
さて今回、会場の期待は、(財)ファッション産業人材育成機構ビジネススクール学長 尾原蓉子氏のセミナーです。尾原氏は、「ファッションビジネス」という言葉を日本に初めて紹介した、ファッション産業界で知らぬ人はいないという素晴らしい女性。「ファッションビジネスは豊かさの中でどんどん楽しみが広がるビジネス」と、日本のファッション産業・業界の変化を分析し、ファッションビジネスの何がどう変わりつつあるのかを知ったうえで「元気になろうとすれば、この変化をチャンスにすること」「ファッションビジネスに求められる最大のものは人材。作品を商品にできるデザイナーを育成すべき」との的確な指摘に、会場一同、真剣なまなざしで聞き入っていました。
最後に「実学でしか、人は育たない」「会社として“人が育つモチベーション”を与えることが、ひいてはファッションビジネスを成長させていく」と会員企業へのメッセージがおくられました。

交流会
通常総会を記念しての交流会では、セミナーの興奮さめやらぬ会員たちが尾原氏を囲んで活発に意見交換。いつもにも増して、有意義で賑やかな交流会となりました。


「ナゴヤファッションコンテスト2006」第一次審査レポート

【開催データ】
開催日時:平成18年6月15日(木)12:30〜15:30
会場:ナディアパーク・デザインセンタービル6F セミナールーム2
審査員長:花井幸子(ファッションデザイナー)
審査員:中野裕通(ファッションデザイナー)・原由美子(スタイリスト)・桑原直(ファッションデザイナー)・岩谷俊和(ファッションデザイナー)
応募総数:5,273点(レディース4,032点/メンズ630点/キッズ611点−うち海外からの応募点数273点)
第1次審査通過数:30点(レディース18点/メンズ6点/キッズ6点)

レベルの高い作品群に審査員も真剣。

レディス・メンズ・キッズと3つの部門で独創的なファッションデザインを競う「ナゴヤファッションコンテスト」に今年は国内外から5,273作品が集り、花井幸子審査員長をはじめファッション界をリードする5人が、1次審査通過作品を選びました。
自然、モノ、カタチなど、デザインのモチーフは実にさまざま。多彩なバックボーンをもつ参加者からの個性豊かな作品揃いで、審査員の先生方は興味津々。デザイン画や制作意図の内容などをチェックしながら、「絵が非常にうまいね」「同じ人がメンズ、レディス両方つくるとどうなるのかな」「これが実際の作品になったところを見てみたい」など、感想をもらしながら慎重に審査を進めました。
ときにはデザイン画の上にかがみ込み、真剣な面持ちで画と制作意図を見比べたり、2点を目の前にかざして迷う様子も。複数の審査員に支持される作品あり、それぞれの個性と価値観で推薦される作品ありと、審査はテンポよく進み、予定より少し早めに終了しました。
最終公開審査は9月7日。「この作品がどんな服になるのか楽しみだね」という審査員の声に代表されるように、ショー形式によるグランプリ決定最終審査への期待がますます高まることとなりました。
詳しくは→


クリエーター活動報告「パターン・サンプル製作会社見学」

【開催データ】
開催日時:平成18年4月19日(水)15:00〜17:00
会場:(株)タキヒヨーテクニー(名古屋市西区新道2丁目5-9)
講師:安藤賢司((株)タキヒヨーテクニー代表取締役社長)
参加者:(株)タキヒヨーテクニー3名/クリエーター4名

4人のクリエーターの方と一緒に、西区にあるパターン、サンプル等の製作をしている(株)タキヒヨーテクニーさんを訪問しました。
安藤社長さんから、タキヒヨーテクニーさんの歴史や業務の内容、そして会社の特色などのお話をうかがった後、社内を見学させていただき、パターンやサンプル作りのためのCADや裁断機など、さまざまな設備について具体的に説明を受けました。
最後は、タキヒヨーテクニーの社員の皆さんとの意見交換。クリエーターの皆さんはやはり展示会のためのパターン、サンプル作りや、少ロットで生産してくれるところがなかなか見つからず苦労しているとのこと。パターン、サンプル工場の場合、仕事が一時に集中することが多いため、手すきの時期に何かできるかもしれないということで、今後のビジネスに期待を残して、今回の見学会は終了しました。
詳しくは→