【開催データ】
開催日時:2008年10月16日(木)15:00〜17:00
会場:名古屋ガーデンパレス 3F 葵
名古屋市中区錦3-11-13
講師:宇自可 伶 氏
(ニューヨーク在住・ファッションプロデューサー)
受講者数:151名 |
売上げ2割増しのカジュアルセレクト
アパレル不振でも売れる服と戦略を検証
リアルタイムでNYの情報が手に入る人気のセミナー。今回は過去最高の来場者数で、満席となりました。9月上旬に行われたNYコレクションをつぶさにレポートし、最先端のアメリカファッション事情に詳しい宇自可伶氏が、そんなアメリカのファッション事情をもとに次期春夏のトレンドと売れる服を予測。たっぷり語っていただきました。
「NYは、とにかく売れないといけない。そこが、モードやカルチャー的要素が強いヨーロッパコレクションといちばん違うところ」と宇自可氏。売り上げは価格帯と深く関係しているとのこと。今回のセミナーは、株価の悪化という厳しい現実に直面するアメリカのファッションビジネスの考え方のお話から始まりました。
春夏NYコレクションは、エコや選挙、オーガニックをキーワードとしたテーマが多く、ファッションだけでなくインテリアや食など、トータルなライフスタイルを提案するものが売れているそうです。その一例として、デザイナーとのコラボで上半期の売上げを29%アップした人気のカジュアルセレクトショップ「Urban Outfitters」のビジネスモデルを紹介。店内に人気デザイナーのコーナーがあり、トレンド感が充実していて、若いコが大好きなイメージなのだそうです。
続いて、同じ会社のレトロフレンチカジュアルのセレクトショップ「Anthropologie」も取り上げ、「手に取りやすい商品が多く、ディテールのある商品がいい。百貨店で買う人を基準にすれば価格も手頃」、「カーディガンが売れ筋。服はwebでの売上げも大きい」とのこと。
さらに「夏のNYファッションは、ハンプトンから発信される!マンハッタンから車で2時間半ほどのこの場所は、イケてる海辺の別荘地」と、春夏ファッションに大きな影響を与えるカルチャーなど、現地ならではの話題を楽しく盛り込みながら、注目のショップを次々と紹介されました。
続いて、Spring 2009 NY Collectionのトレンドについては、「不安な情勢だからこそ、リアリティを求められた。売上げをアップしているブランドはフェミニンなトレンドで元気いっぱい」と総括。「ふわふわしたミューズ風のドレス、白いラッフルドレスなど、ダークな世相だからこそ女性に輝いて欲しいという気持ち。そうでないと経済も回復しない。でも日本は逆に空気を読みすぎて世相に融合するファッションをしすぎ」と厳しい指摘をされました。
さらに、ジャンプスーツ、ビッグショルダー、セレブに人気のBandingドレス、エレガントなゴス、メンズジャケット・カジュアルなど、注目のトレンドを紹介。日本のファッション業界にも取り入れたい情報が数多く紹介されました。
最後は、NYファッション界の事情を絡めながら、デザイナーごとにNYコレクションを紹介し、ショー会場のイメージや傾向を楽しく伝えて下さいました。宇自可氏の話をこれからの商品づくりに生かそうと熱心に耳を傾ける参加者には、「売れるものは、ほどほどのトレンド感がなくてはダメ!とにかく元気のあるモノをつくってください」とのエールをいただきました。 |